小塩山(京都市西京区大原野)に「カタクリ」の花が自生している群生地があります。ちょうど見ごろ。可愛い花が一面に広がっていて見事でした。
源氏物語の作者紫式部は大原野の地をこよなく愛していたそうです。生前に自ら撰んだとされる家集「紫式部集」に小塩山のことが詠まれています。
暦に、初雪降ると書きたる日、目に近き日野岳という山の雪、いと深う見やらるれば、
「ここにかく日野の杉むら埋む雪 小塩の松に今日やまがへる」
(現代語訳)
【詩書】暦に、初雪が降ったとしるされる今日、近くに見える日の岳という山に、雪が深く積もっている
日野岳の杉林は、雪に深く埋れんばかりだ。今日は、都でも小塩山の松に雪がちらちらと散り乱れて降っていることであろうか。