しば漬け発祥の地(京都大原 寂光院)

洛北、大原にある「寂光院」はしば漬けの発祥の地だそうで、9月に「しば漬法要」があります。

(その昔、里人が寂光院建礼門院様に夏野菜を献上し、保存食として漬け物にしたのが始まりと言われています。野菜は伝統的には茄子(なす)が使われています。)

 

寂光院天台宗の尼寺で山号を玉泉寺といい、594(推古2)年に聖徳太子が父・用明天皇の菩提を弔うために創建したと伝えられています。

初代住持は聖徳太子の御乳人であった玉照(たまてるひめ)、第二代住持は証道比丘尼、第三代が建礼門院です。

都から人里離れた寂光院に身を寄せ、滅亡した平家一族と亡き幼い我が子を思いながら一人寂しく暮らした様子は「平家物語」にも書かれています。京都大原の人たちは、かつて皇后だった建礼門院に少しでも御所の高貴な日々を思い出し、少しでも元気になってもらおうと考え、大原の地に古くから保存食として作られてきた紫の紫蘇(しそ)の葉の漬け物を献上しました。紫色は皇室でも最も高い位の身分の人しか身に着けることのできない色です。建礼門院はこの紫色をたいそう喜び、紫葉(むらさきは)漬けと名付けたそうです。それ以降、紫葉(しば)漬けの名が定着したそうです。