11月/季節の食べ物の話「亥の子餅」

京都御所の近く、護王神社では毎年11月に「亥子祭」が行われます。

 

護王神社はご祭神である和気清麻呂(わけのきよまろ)が刺客に襲われた際、突如現れた300頭の猪に救われました。足に傷を負ったが猪が去った後に足の傷が癒えたので、その故事に由来して足腰健康の神社として有名です。

 

「亥子祭」の祭礼では神職が杵と臼でついた「亥の子餅」を神前にお供えします。

拝殿で儀式が行われた後、「亥の子餅」を皇室に献上するため京都御所に向かい、献上後には境内にて「亥の子餅」が振る舞われ、参拝者が無病息災・子孫繁栄を祈願します。

「亥の子餅」の由来は旧暦の亥の日にお餅を食べると無病息災になるという習俗から生まれたそうです。

平安時代初期の頃から宮中で食されるようになったようで、「源氏物語」にも登場します。

この頃の「亥の子餅」と現在では材料も形状も違うと思いますが、「亥の子餅」に決まった色や形は無いとのことです。

❖粒餡を胡麻入りの求肥で包んで上から黄粉(きなこ)をかけたもの

胡麻干し柿を混ぜたお餅で、こし餡をつつんだもの

そして、お餅の表面に焼きごてを使ってイノシシのような色をつけたもの 等々

お店によって様々な作り方があるようです。

11月にはお近くの和菓子屋さんにも並んでいるかもしれません。

猪(ウリボウ)に似ていたら「亥の子餅」だと思います。

                           

(京の和菓子探訪 他より引用)